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再就職手当

再就職手当とは?早く就職すると損をしないための条件

「早く就職を決めると、残っている失業手当をもらい損ねる」——この心配をなくすために用意されているのが再就職手当です。 ただし要件は9つあり、ひとつでも外れると支給されません。金額の決まり方と、見落としやすい条件を整理します。

再就職手当はどういう制度か

基本手当(失業手当)は、所定給付日数を上限として、失業している間に日数分ずつ受け取っていく給付です。 そのため「まだ日数が残っているのに就職したら、残りは受け取れなくなるのではないか」という不安が生まれます。 その不安が就職の妨げにならないよう、残っている日数の一部をまとめて受け取れるようにしたのが再就職手当です。

対象になるのは、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合です。 雇用保険の被保険者となる形で就職した場合のほか、事業主となって雇用保険の被保険者を雇用する場合も含まれます。 支給の条件は、就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あることが出発点になります。

支給額の計算式と2つの支給率

計算式

再就職手当=基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率

  • 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上 ⇒ 給付率70%
  • 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上 ⇒ 給付率60%

早く決めるほど残日数が多く、給付率も高くなるという二重の設計です。 所定給付日数90日、基本手当日額6,000円の方を例に、残日数ごとの支給額を並べると次のようになります。

支給残日数判定給付率再就職手当の額
90日3分の2以上70%378,000円
60日3分の2以上70%252,000円
45日3分の1以上60%162,000円
30日3分の1以上60%108,000円
29日3分の1未満支給されません

※所定給付日数90日・基本手当日額6,000円と仮定した場合の試算です。1円未満は切り捨てとなります。実際の金額は年齢・加入期間・離職前の賃金・就職日によって変わります。

60日と45日の差は15日ですが、支給額の差は9万円です。3分の2という境目をまたぐと給付率そのものが変わるため、 残日数が境目付近にある場合は、入社日の設定が金額に影響することがあります。

計算に使う基本手当日額には別の上限がある

混同しやすいポイント

再就職手当の計算に使う基本手当日額には、基本手当そのものの上限額とは別の上限が設けられています。 上限は6,745円(離職時の年齢が60歳以上65歳未満の方は5,454円)です。 毎年8月1日以降に変更されることがあります。

たとえば基本手当日額が8,270円の方でも、再就職手当の計算では6,745円が使われます。 所定給付日数150日で残日数100日(3分の2以上)の場合、6,745円 × 100日 × 70% = 472,150円という計算です。 実際に受け取っている基本手当日額をそのまま掛けて計算すると、見込みを大きく外すことになります。

 基本手当日額の上限
(基本手当そのもの)
再就職手当の計算に
用いる上限
30歳未満7,450円6,745円
30歳以上45歳未満8,270円
45歳以上60歳未満9,110円
60歳以上65歳未満7,830円5,454円

※左列は2026年8月1日改定の基本手当日額の上限額。右列はハローワークインターネットサービス「就職促進給付」に示された再就職手当等の算定上限額です。いずれも毎年8月1日に見直されます。

シミュレーション

自分の場合の再就職手当を試算する

基本手当日額と支給残日数を入れると、給付率の判定と支給額の目安が確認できます。入社日を変えたときに金額がどう動くのかも比べられます。

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支給の要件は9つ

再就職手当は、次のすべてに該当する場合に支給されます。ハローワークが要件を調査・確認したうえで支給処理を行います。

  1. 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上であること
  2. 1年を超えて引き続き雇用されることが、雇入れ当初から確実と認められる職業に就いたこと(1年以下の期間の定めのある雇用でも、1年を超えて更新されることが確実と認められる場合を含みます)
  3. 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと(資本・資金・人事・取引などの状況からみて密接な関係にある事業主を含みます)
  4. 待期が経過した後に就職したものであること
  5. 給付制限を受けた場合は、待期満了後1か月については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介により職業に就いたものであること
  6. 就職日前3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
  7. 受給資格決定日前に採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
  8. 原則として、雇用保険の被保険者となること
  9. 支給申請書を提出した後、ハローワークが調査を行う際に、再就職先の事業所を離職していないこと

特に見落としやすいのが3と7です。退職した会社の関連会社に就職した場合や、 ハローワークで手続きをする前にすでに内定が出ていた場合は、対象になりません。 また9のとおり、申請したあとすぐに辞めてしまうと支給されない点にも注意が必要です。

なお、事業を開始した場合にも再就職手当が支給されることがあります。 こちらは要件が別に定められているため、該当しそうな場合はハローワークに確認してください。

給付制限中に決まった場合の注意点

先ほどの要件5は、実務上とても重要です。自己都合退職で給付制限を受けた方が、 待期満了後1か月の間に就職した場合は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものでなければなりません。 ハローワークの求人を見て、紹介を受けずに直接応募した場合や、 ハローワークが紹介した事業所以外の関連企業などに就職した場合は、これに該当しないとされています。

2025年4月1日以降に離職した方の給付制限は原則1か月ですから、 給付制限の期間とこの1か月がちょうど重なります。 給付制限中に転職活動を進めている方が、求人サイトから直接応募して決めた場合、 残日数の条件を満たしていても再就職手当の対象にならない可能性があります。 この時期に応募する際は、ハローワークの窓口で紹介を受ける形を取れるかどうか、事前に相談しておくと安全です。

再就職後に賃金が下がったときの制度

再就職手当を受け取ったあと、再就職先の賃金が離職前より低かった場合には、 就業促進定着手当を受けられることがあります。 再就職手当の支給を受けた方が、引き続きその再就職先に6か月以上雇用され、 かつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額に比べて低下している場合が対象です。

支給額は「(離職前の賃金日額 − 再就職後6か月間に支払われた賃金の1日分の額)× 6か月間の賃金の支払いの基礎となった日数」で計算され、 上限は「基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 20%」とされています (ここでいう支給残日数は、再就職手当の給付を受ける前の残日数です)。 再就職手当を受け取れなかった方は対象外になる点にご注意ください。 賃金の1日分の算出方法・計算例・申請書類・期限の詳細は 「就業促進定着手当とは?再就職で下がった賃金の一部を6か月後に受け取れる制度」で解説しています。

また、支給残日数が所定給付日数の3分の1未満で、障害のある方など就職が困難な方が安定した職業に就いた場合には、 常用就職支度手当という別の制度があります。

申請の期限と入金までの期間

再就職手当の支給を受けようとする場合は、就職日の翌日から1か月以内に、 再就職手当支給申請書に受給資格者証を添えてハローワークへ提出します。 本人が来所できない場合は、代理人(委任状が必要です)または郵送による提出もできます。

支給申請書を提出したあと、支給・不支給の決定をするためにおおむね1か月の調査期間を要します。 そのため、申請書を提出してから入金されるまでの期間は1か月半〜2か月程度が目安です。 決定は調査期間の経過後に文書で通知されます。就職して収入が入り始めるまでの生活費を、 再就職手当の入金で賄う前提にしないほうが安全です。

なお、再就職手当を受給したあとに倒産などにより再び離職した場合は、 一定期間、受給期間が延長されることがあります。「再就職手当を受け取ったら、残りの権利が完全に消える」というわけではありません。

まとめ

主な参照元(一次情報)

※制度は改正されることがあります。最新の取り扱いは上記の公的情報および管轄のハローワークでご確認ください。

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最終更新日:2026年8月10日
※本記事は2026年8月時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の受給可否は管轄のハローワークなど関係機関の判断によります。

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