失業手当(失業保険)の必要書類は?
ハローワーク初回の持ち物一覧・2回目以降の認定日・離職票なしの「仮手続き」
失業手当(雇用保険の基本手当)の受給手続きで初回にハローワークへ持っていくのは、 離職票(-1・-2)、マイナンバーカード、本人名義の通帳の実質3点です。 マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類・身元確認書類・写真2枚が追加で必要になります。 そして離職票がまだ届いていなくても、退職日の翌日から12日目以降なら「仮手続き」ができる場合があります。 この記事では、初回の持ち物の分岐と当日の流れに加えて、 初回説明会と4週間ごとの失業認定日に持っていくものまで、ハローワークの公式案内にもとづいて解説します。
この記事の内容
結論:離職票・マイナンバーカード・通帳の実質3点
受給手続きは、住居地を管轄するハローワークで「求職の申込み」をしたうえで離職票を提出する、という流れです。 ハローワークインターネットサービスが示す持ち物は次のとおりで、 マイナンバーカードが1枚あれば、番号確認・身元確認を兼ねられ、写真2枚も省略できます。
②〜④はマイナンバーカードがあれば1枚にまとまるため、 実際に用意するのは「離職票・マイナンバーカード・通帳」の3点、という人が多いはずです。 次の章で、カードがない場合の分岐を整理します。
マイナンバーカードがない場合 — 通知カードまたは個人番号記載の住民票+運転免許証等+写真2枚
マイナンバーカードの有無で変わるのは、「個人番号の確認」「身元の確認」「写真」の3つです。
| 確認の内容 | マイナンバーカードあり | マイナンバーカードなし |
|---|---|---|
| 個人番号の確認 | ○ カード1枚でどちらも兼ねる | 通知カードまたは個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)のいずれか1種類 |
| 身元(実在)の確認 | (1)運転免許証、運転経歴証明書、官公署発行の写真付き身分証明書・資格証明書などから1種類。 (1)がない場合は(2)公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書などから異なる2種類(コピー不可) | |
| 写真 | ○ 省略可能 | 2枚必要(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm) |
※写真の省略は「初回の手続きと、これに続き今後行う支給申請ごとにマイナンバーカードを提示する」ことが条件です。つまり省略を選んだ場合は、認定日のたびにマイナンバーカードを持参することになります。
写真2枚の「2枚」の意味 — 1枚は離職票-2に貼る
公式の持ち物は「写真2枚」とだけ書かれていて、なぜ2枚なのかは説明されていません。 厚生労働省の業務取扱要領50207では、1枚を雇用保険受給資格者証に、もう1枚を離職票の「写真欄」に貼付する取り扱いが示されています。 労働局のリーフレットでは、この写真欄は離職票-2にあるものとして案内されており、離職票-2の様式にも実際に3.0cm×2.4cmの写真欄があります。
写真については、労働局の案内でいくつか公式サイトより細かい指定が出ています。
| 論点 | 案内の内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 写真の新しさ | ハローワークインターネットサービスは「最近の写真」。労働局のリーフレットには「6か月以内の写真」と明記しているものがあります | 静岡労働局・大分労働局 |
| 枚数の例外 | 高年齢被保険者・短期雇用特例被保険者であった方は1枚 | 静岡労働局 |
| 通帳が不要になる場合 | 離職票-1に金融機関の確認印が押印されている場合は通帳の持参は不要との案内があります | 大阪労働局 |
※これらは確認できた労働局の案内にもとづく内容で、全国一律の取り扱いとして公表されているものではありません。 写真と通帳について迷う場合は、写真は6か月以内・2枚、通帳も持参としておくのが無難です。 そのほかの持ち物は、管轄のハローワークの案内もあわせて確認してください。
1点だけ注意したいのが通知カードです。通知カードは2020年5月に新規交付が終了しており、 番号確認書類として使えるのは記載された氏名・住所などが住民票の記載と一致している場合に限られます。 引っ越しや結婚で記載が変わっている方は、個人番号の記載のある住民票を市区町村で取っておくのが確実です。
離職票はいつ・どう届くか — 会社側の「10日」の期限
離職票は自分でハローワークに申請する書類ではなく、会社がハローワークで手続きをして発行され、通常は会社経由で本人に届く書類です(会社へ受け取りに行く場合もあります)。 会社には期限があり、雇用保険法施行規則7条により、被保険者でなくなった日 (=退職日の翌日)の翌日から起算して10日以内に資格喪失届と離職証明書を提出することとされています。 つまり会社側の法律上の期限は、退職日の翌日から数えて11日目までです。 そこからハローワークの処理と郵送を経て届くため、 退職からおおむね2週間前後かかるのが一般的な目安です。
届く書類は2枚1組です。離職票-1は失業手当の振込先口座などを記入する用紙、 離職票-2は退職前の賃金と離職理由が記載された用紙です。 離職理由は給付制限の有無や給付日数に直結します。 在職中に会社が作る「離職証明書」には本人が氏名を記載することになっているので、 その際に離職理由の記載内容を確認しておくことをハローワークインターネットサービスも案内しています。 記載に異議がある場合(実際は退職勧奨なのに自己都合とされている場合など)は、 ハローワークが事実関係を調査したうえで離職理由を判定します。 離職理由による違いは「自己都合退職と会社都合退職で失業手当はどう変わる?」で解説しています。
離職票が届かなくても「仮手続き」ができる — 12日目の根拠
「離職票が届かないから、まだハローワークに行けない」と待ち続ける必要はありません。 そもそも届かない原因の切り分けと、自分から取り寄せる方法は 「離職票が届かないときは?会社の期限「退職日の翌日から11日目」と自分で取り寄せる2つの方法」にまとめています。 離職票の交付が遅れている場合、離職票がない状態で受給資格の仮決定手続き(仮手続き)を 受け付けているハローワークがあります。 たとえば兵庫労働局・大阪のハローワークの案内では、 原則、離職日(=退職日)の翌日から数えて12日目以降であれば仮決定手続きが可能とされています (例:3月31日退職なら4月12日以降)。
「12日目」という数字は、§3の会社側の期限とつながっています。 会社の提出期限が退職日の翌日から数えて11日目までなので、 その期限が過ぎた翌日=12日目から、本人側の仮手続きを受け付けるという整理です。 実際、兵庫労働局の案内では、11日目が土日祝などの閉庁日に当たる場合は 会社側の期限が延びる分、仮手続きの開始も後ろにずれるとされています。
- さかのぼり効果 — 後日離職票が交付され受給資格があると判断されれば、仮手続きをした日にさかのぼって手続きが開始されたものとして扱われます
- 持ち物の目安 — 身元確認書類(マイナンバーカードなど)、退職したことがわかる書類(退職証明書など)、本人名義の通帳(兵庫労働局の案内より)
- 取り扱いは窓口ごとに確認 — 仮手続きの可否や必要書類はハローワークによって異なるため、行く前に管轄のハローワークへ電話で確認するのが確実です
急ぐ理由もあります。失業手当の手続きは、原則としてハローワークに申込みを行った日から始まり、 「いつ退職したか」ではなく「いつ手続きしたか」で支給のタイミングが決まります。 さらに、受給できる期間は原則として離職日の翌日から1年間で、 手続きが遅れるほど、所定給付日数が残っていても期限切れで受け取れなくなるリスクが増えます (「失業手当の受給期間は1年で失効|延長申請の条件・期限・必要書類」)。 離職票を待つ間も、時計は動いていると考えてください。
当日の流れ — 求職申込みは事前のオンライン登録で短くできる
初回にハローワークで行うのは、大きく2つです。 ①求職の申込み(仕事を探す登録)→ ②離職票の提出と受給資格の決定(受給要件の確認と離職理由の判定)。 雇用保険の窓口は月曜〜金曜(休祝日・年末年始を除く)の8時30分〜17時15分で、 求職申込みに一定の時間がかかることから、16時前までの来所が公式に推奨されています。
このうち①は、ハローワークインターネットサービスから事前にオンラインで求職申込みを済ませておくことができ、 当日の手続きを短くできます。自宅のパソコンやスマートフォンから求職者マイページを開設して入力しておき、 当日は窓口で登録内容の確認を受ける流れです。
受給資格が決定すると、受給説明会の日時が知らされ、「雇用保険受給資格者のしおり」を受け取ります。 待期7日間(求職申込みの後、失業の状態にある7日間)は、説明会を待たずに進行します。 その後は、(正当な理由のない自己都合退職の場合は給付制限・原則1か月を経て)4週間に1度の失業認定、と進みます。 申請から振込までのスケジュール全体は 「失業保険(失業手当)の振込日はいつ?認定日から通常5営業日・振込時間と初回入金までのスケジュール」で解説しています。
シミュレーション手続きに行く前に、金額の目安を知っておく
年齢・雇用保険の加入期間・退職理由・退職前の給与を入力すると、基本手当日額と総額の目安を計算します。2026年8月1日改定の上限額・下限額・給付率に対応しています。
失業手当シミュレーションへ2回目以降の持ち物 — 初回説明会と、4週間ごとの失業認定日
持ち物が必要なのは初回だけではありません。受給が始まってからも、 初回説明会と4週間に1度の失業認定日に持っていくものがあります。 初回と違って点数は少ないですが、忘れるとその日の認定手続きが進まず、支給が遅れるおそれがあります。
| いつ | 持っていくもの | そこで受け取るもの |
|---|---|---|
| 雇用保険受給者 初回説明会 |
「雇用保険受給資格者のしおり」、筆記用具等 | 雇用保険受給資格者証(受給資格通知を希望したマイナンバーカード利用者は雇用保険受給資格通知)/失業認定申告書/第1回目の失業認定日の案内 |
| 失業認定日 (原則4週間に1度) |
記入済みの失業認定申告書と雇用保険受給資格者証。 受給資格通知の交付を受けた方は、受給資格者証に代えてマイナンバーカードを提示します |
次回の認定日の指定 |
※マイナンバーカードを提示して手続きをした方が希望した場合は、受給資格者証に代えて 「雇用保険受給資格通知」が交付されます(雇用保険法施行規則19条3項)。 この場合は認定日に持っていくものが変わるので、説明会での案内に従ってください。
失業認定申告書には、認定対象期間中に働いた日・収入・求職活動の状況を記入します。 求職活動の内容(いつ・どこで・何をしたか)は、認定日までに手元でメモしておくと当日の記入が早く済みます。 印鑑については、ハローワークインターネットサービスの全国向け持ち物一覧に記載がありません (初回の持ち物としても挙げられていません)。ただし窓口ごとの案内に差がある可能性はあるため、 「必ず不要」とまでは言い切れません。気になる場合は管轄のハローワークに確認してください。
なお、認定日にどうしても行けないときに変更が認められる理由と期限は 「失業認定日に行けないときは?変更が認められる理由の一覧と「次回認定日の前日まで」の期限」で、 認定から入金までの日数は 「失業保険(失業手当)の振込日はいつ?認定日から通常5営業日・振込時間と初回入金までのスケジュール」で解説しています。
よくある勘違いQ&A
どこのハローワークでも手続きできますか?
受給手続きができるのは、住居地を管轄するハローワークです。 会社の近くや通いやすい駅前の窓口ではなく、いま住んでいる住所の管轄がどこかを先に確認してください。 管轄はハローワークインターネットサービスの所在地情報で調べられます。 なお、住居地以外の希望する地域で求職活動をしたい場合は、 希望地を管轄するハローワークで手続きが可能な場合もあるため、詳しくは窓口にお尋ねください。
家族が代わりに手続きに行ってもいいですか?
受給手続きと失業の認定は、本人がハローワークに出向いて行うのが原則です。 失業手当は「働く意思と能力があるのに職業に就けない状態」に対して支給されるもので、 その確認は本人について行われるためです。 病気やけがですぐに働けない状態が続く場合は、代理での受給手続きを探すのではなく、 受給期間の延長(最長4年)を検討するのが正攻法です。 延長申請は郵送や代理人による提出も認められています (「失業手当の受給期間は1年で失効」で解説しています)。
振込先はネット銀行の口座でも大丈夫ですか?
ハローワークインターネットサービスは「本人名義の預金通帳又はキャッシュカード (一部指定できない金融機関があります。ゆうちょ銀行は可能です)」としています。 ネット銀行は多くの場合利用できるようになってきていますが、 金融機関によって扱いが異なるため、使いたい口座が指定できるかは窓口で確認してください。 いずれにしても本人名義であることが必須で、家族名義の口座は指定できません。
「雇用保険被保険者証」が見つかりません。手続きできませんか?
ハローワークインターネットサービスの初回の持ち物一覧に、被保険者証は含まれていません。 受給手続きに直ちに支障が出るものではなく、紛失した場合はハローワークで再交付を受けることもできます。 被保険者証は主に再就職先に雇用保険の加入手続きをしてもらうときに使う書類なので、 見つからない場合もあわてず、手続きの際に窓口へ相談してください。
手続きでうそを書かないでください
受給手続きでは、離職理由や就労の状況をありのまま申告してください。 実際とは異なる離職理由を主張する、就労や収入の事実を隠すなど、 偽りその他不正の行為により給付を受け、または受けようとした場合、雇用保険法34条1項により 原則としてその日以後は基本手当が支給されなくなります (やむを得ない理由があると認められる場合を除きます)。 加えて、受け取った額の返還と、その2倍以下の額の納付を命じられることがあり、 悪質な場合は刑事責任を問われるおそれもあります。 離職理由に納得できない場合は、うその申告ではなく、 事実関係の調査をハローワークに相談するのが正しい進め方です。
まとめ
- 初回の持ち物は、離職票(-1・-2)・マイナンバーカード・本人名義の通帳の実質3点。マイナンバーカードがあれば番号確認・身元確認を兼ね、写真2枚も省略できます(認定日ごとの提示が条件)
- マイナンバーカードがない場合は、番号確認書類1種類+身元確認書類(写真付き1種類または保険証など2種類)+写真2枚が必要です
- 離職票は会社経由で届き、会社側の提出期限は退職日の翌日から数えて11日目まで(規則7条の10日ルール)です
- 届かなくても、退職日の翌日から12日目以降なら「仮手続き」ができる場合があります。後日、受給資格があると判断されれば、仮手続きをした日にさかのぼって手続きが開始された扱いになります
- 手続きは住居地を管轄するハローワークで。窓口は平日8時30分〜17時15分、16時前までの来所が推奨されています。求職申込みは事前のオンライン仮登録で短縮できます
- 持ち物が必要なのは初回だけではありません。初回説明会には「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具、4週間ごとの失業認定日には失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を持参します
- 受給期間は原則1年。手続きが遅れるほど受け取り損ねるリスクが増えるため、離職票が来ないときは待たずにハローワークへ相談してください
主な参照元(一次情報)
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」(持ち物一覧・写真の省略条件・窓口時間と16時前来所の推奨・住居地管轄・離職証明書の氏名記載と離職理由の確認・初回説明会と失業認定日の持ち物)
- 兵庫労働局「受給資格の仮決定手続きのご案内」(PDF・R8.2)(離職日の翌日から12日目以降・閉庁日の取り扱い・さかのぼり効果・仮手続きの持ち物)
- 大阪のハローワーク「受給資格の仮決定手続きのご案内」(PDF・LL070901大阪)(12日目以降の例・受給申込みが遅れた場合のリスク)
- 雇用保険法施行規則(e-Gov法令検索)(第7条 被保険者でなくなったことの届出・離職証明書の提出期限/第19条3項 受給資格の決定と受給資格者証・雇用保険受給資格通知の交付)
- ハローワークインターネットサービス「求職申込み手続きのご案内」(来所前のオンライン求職申込み・求職者マイページ)
- 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領(一般被保険者の求職者給付)」(PDF)(50207 写真2枚の用途=受給資格者証と離職票への貼付/マイナンバーカード利用者への受給資格通知の交付)
- 静岡労働局「受給手続きに必要なもの」(PDF・令和7年8月版)(写真は6か月以内・1枚は離職票-2へ貼付・高年齢被保険者等は1枚)
- 大分労働局「雇用保険の受給手続きについて」(PDF)(写真は6か月以内)
- 大阪労働局「雇用保険の受給手続き」(離職票-1に金融機関確認印がある場合は通帳の持参不要)
- 厚生労働省「給付制限期間が2か月から1か月に短縮されます」(PDF)(2025年4月1日以降の離職に係る給付制限原則1か月)
※制度は改正されることがあります。仮手続きの取り扱いはハローワークによって異なる場合があります。最新の取り扱いは上記の公的情報および管轄のハローワークでご確認ください。
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最終更新日:2026年9月13日
※本記事は2026年8月時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の受給可否は管轄のハローワークなど関係機関の判断によります。