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退職の準備 読了目安:約8分

退職前にやっておくこと
チェックリスト

退職まわりの手続きには、退職日を決めるにしか打てない手がいくつかあります。 そして退職した直後には、14日・20日という短い期限の手続きが続きます。 失業手当・傷病手当金で損をしないために、「退職日を決める前」「退職日まで」「退職後すぐ」の3つの時期に分けて、 やることを時系列で整理しました。

退職日を決める前に確認する4つのこと

退職の手続きというと「辞めたあとにやること」を思い浮かべがちですが、 金額や受給の可否に大きく影響するのは、実は退職日を決める前の確認です。 退職日はいちど確定すると動かしにくいので、次の4点は先にチェックしておいてください。

退職日を決める前のチェック4点
  • 雇用保険の加入期間は足りているか — 失業手当には、離職日以前2年間に原則12か月(会社都合などは1年間に6か月)の被保険者期間が必要です。数えるのは在籍月数ではなく「11日以上働いた月」など独自のルールです。詳しくは「雇用保険の加入期間はどう数える?
  • 自分の離職理由はどの区分か — 自己都合か会社都合か、あるいは正当な理由のある自己都合(特定理由離職者)かで、給付制限の有無も日数も変わります。「自己都合退職と会社都合退職の違い」「特定理由離職者とは
  • 療養中なら、退職日までの休み方 — 傷病手当金を退職後も受け取るには、健康保険に継続して1年以上加入していることを前提に、退職日までに連続3日以上休んだ状態(待期の完成)があり、退職日当日に出勤しないことが必要です。挨拶のための最終日出社で権利が消えます。「傷病手当金と失業手当の関係」「傷病手当金の申請書の書き方
  • 給付制限の見込み — 自己都合退職の給付制限は2025年4月以降の離職から原則1か月です。「2か月待ち」は古い情報です(5年以内に3回以上の自己都合離職など、今も3か月になるケースはあります)。「給付制限は原則1か月に短縮

なお、この記事は「退職を決めた方」のための準備リストです。 受け取れる手当の額を理由に退職そのものを決めるのは順序が逆です。 金額の目安を知りたい段階なら、まずシミュレーターで確認してから判断してください。

退職までに、会社に依頼しておく書類

退職後の手続きで使う書類の多くは、会社経由でしか手に入りません。 退職日までに、次の書類を依頼しておくと退職後がスムーズです。

書類使い道
離職票(雇用保険被保険者離職票)失業手当の申請に必須。会社側の手続き期限は退職日の翌々日から起算して10日以内と定められており、手元に届くのは退職から2週間前後が目安です
雇用保険被保険者証会社が保管していることが多い書類。転職先でも使います
源泉徴収票転職先での年末調整、または自分で行う確定申告に使います
健康保険資格喪失証明書国民健康保険への切り替えの届出で使います

離職票には離職理由が記載されます。届いたら記載内容を確認し、 事実と違うと感じた場合は、そのままにせずハローワークに相談してください。 離職票がなかなか届かない場合の対処も含め、受給までの流れは 「失業手当はいつから振り込まれる?」で解説しています。

退職後すぐに期限が来る手続き — 14日と20日

退職日の翌日に会社の健康保険と厚生年金の資格がなくなります。 ここからは14日・20日という短い期限の手続きが続くため、退職前に「どれを選ぶか」まで決めておくのが理想です。

国保・年金の届出 14日以内 国民健康保険への加入届・国民年金の種別変更は、いずれも14日以内(窓口は市区町村)
健康保険の任意継続 20日以内 退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内に申出。過ぎると原則選べない

健康保険は、大きく3つの選択肢があります。 ①それまでの健康保険を最長2年続ける任意継続(資格喪失日から20日以内に申出。最初の保険料を納付期日までに納めないと、任意継続にならなかったものとみなされます)、 ②国民健康保険への加入(14日以内に市区町村へ届出)、 ③収入要件を満たす場合に家族の扶養に入る(家族の勤務先経由。保険料負担なし)。 どれが安いかは前年の収入や家族構成で変わるため、退職前に任意継続の保険料と国保の概算を見比べておくと迷いません。 なお、失業手当の受給中は、日額によっては扶養の収入要件を満たさず入れないことがあります。判断は保険者ごとに異なるため、家族の勤務先に確認してください。

年金は、厚生年金から国民年金第1号被保険者への種別変更の届出を14日以内に市区町村で行います (配偶者の扶養に入る場合は第3号被保険者となり、配偶者の勤務先経由の手続きです)。 保険料の納付が難しい場合は、未納のまま放置せず、免除・納付猶予の制度を市区町村・年金事務所に相談してください。 また、住民税は退職の時期で納め方が変わります。6月〜12月の退職では、残りを市区町村からの通知にもとづいて自分で納めるのが基本(希望すれば最後の給与からの一括天引きも申し出られます)。 1月〜4月の退職では、残額を最後の給与などからまとめて天引きするのが原則です。 退職後の数か月は、こうした支払いが重なることを前提に手元資金を見ておきましょう。

ハローワークでの手続きと、最初の入金まで

離職票が届いたら、住所地を管轄するハローワークで求職の申込みと受給資格の手続きを行います。 そこから待期7日間、(自己都合の場合は)給付制限、失業認定を経て、最初の振込に至ります。 この流れとかかる日数は「失業手当はいつから振り込まれる?」で詳しく解説しています。 受給中に職業訓練を受ける選択肢もあり、条件を満たせば給付日数が訓練終了まで延びることもあります (「訓練延長給付の条件」)。

ひとつだけ、期限の観点で重要なのは、失業手当を受け取れる期間は原則「離職日の翌日から1年」だという点です。 手続きを先延ばしにすると、日数が残っていても期間切れで受け取れなくなることがあります。 離職票が届いたら、早めに動いてください。

ここは必ず押さえてください

ハローワークの手続きでは、離職理由や就労・収入の状況を事実のとおり申告してください。 離職理由を実際と異なる内容で申告する、アルバイトなどの就労や収入を申告しない、といった行為は不正受給にあたり、 受け取った額の返還に加えて、その2倍以下の金額の納付を命じられることがあります。悪質な場合は刑事責任を問われるおそれもあります。

シミュレーション

自分の失業手当がいくらになるか試算する

年齢・加入期間・退職前の給与から、失業手当の日額と総額の目安を確認できます。2026年8月1日改定の最新の上限額に対応しています。

失業手当シミュレーションへ

病気やけがで、すぐに働けない場合

失業手当は「働ける状態で仕事を探している人」のための給付なので、療養のためすぐに働けない場合は受け取れません。 このケースでは順番が変わります。まず健康保険の傷病手当金で療養中の生活を支え、 働ける状態に回復してから失業手当に切り替える、という流れです (「傷病手当金と失業手当は同時にもらえる?」)。

このとき忘れてはいけないのが、失業手当の受給期間延長の申請です。 先ほどの「1年」の期間は療養中も進み続けるため、延長申請をしておかないと、 回復したときには失業手当の権利が消えかけている——という事態が起こります。 申請できるのは、働けない状態が30日続いたあとからです。詳しくは 「受給期間の延長申請の条件・期限・必要書類」をどうぞ。

シミュレーション

傷病手当金の金額の目安を確認する

標準報酬月額をもとに、傷病手当金の1日あたりの金額と受け取れる期間の目安を試算できます。

傷病手当金シミュレーションへ

再就職が決まったあとにも手当がある

早く再就職が決まった場合、残った失業手当が全部無駄になるわけではありません。 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あれば、残日数の一部をまとめて受け取れる再就職手当があります (「再就職手当とは?」)。 さらに、再就職手当を受けたうえで、再就職先の賃金が離職前より低かった場合は、同じ会社に6か月勤めたあとに 就業促進定着手当を申請できます(「就業促進定着手当とは?」)。

どちらも申請期限があります。再就職手当は就職日の翌日から1か月以内、 就業促進定着手当は再就職から6か月経過した日の翌日から2か月以内です。 「就職が決まったら終わり」ではなく、決まったあとにも取りこぼしやすい手当がある、と覚えておいてください。

シミュレーション

早く決まったらいくら受け取れるか試算する

基本手当日額と支給残日数から、再就職手当の目安を確認できます。入社日を変えたときに金額がどう動くのかも比べられます。

再就職手当シミュレーションへ

まとめ:期限つきの手続き一覧

時期やること期限
退職日を決める前加入期間・離職理由・(療養中なら)待期と退職日の休み方・給付制限を確認退職日の確定前
退職日まで離職票・被保険者証・源泉徴収票・資格喪失証明書を会社に依頼退職日まで
退職後すぐ健康保険:任意継続の申出(または国保・扶養)任意継続は20日以内・国保は14日以内
年金:国民年金への種別変更の届出14日以内
離職票が届いたらハローワークで求職申込み・受給資格の手続き受給期間は原則離職日の翌日から1年
働けないとき傷病手当金+受給期間延長の申請働けない30日の経過後、早めに
再就職したら再就職手当/(賃金が下がったら)就業促進定着手当1か月以内/6か月経過後2か月以内

※期限の起算日や適用条件の詳細は、本文中の各記事および管轄の窓口でご確認ください。

主な参照元(一次情報)

※制度は改正されることがあります。最新の取り扱いは上記の公的情報および管轄のハローワーク・市区町村・協会けんぽなどでご確認ください。

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最終更新日:2026年8月10日
※本記事は2026年8月時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の受給可否は管轄のハローワークなど関係機関の判断によります。

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