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離職理由

特定理由離職者とは?認定されると給付制限がなくなる仕組み

自分から退職を申し出た場合でも、その理由によっては「特定理由離職者」として扱われることがあります。 認定されると何がどう変わるのか、そして所定給付日数については広く誤解されている線引きを、公開情報に沿って整理します。

失業手当を語るときによく出てくる「会社都合か、自己都合か」という二分法は、実は正確ではありません。 雇用保険には、そのどちらにも収まりきらない特定理由離職者という区分が用意されています。 自分の意思で退職を申し出ていても、やむを得ない事情があったと認められれば、 倒産や解雇で離職した方(特定受給資格者)に近い扱いを受けられる仕組みです。

特定理由離職者は2つのタイプに分かれる

ハローワークが示している特定理由離職者の範囲は、大きく次の2つに分かれています。 この「1」と「2」の区別が、後で説明する所定給付日数の扱いに効いてくるので、まずここを押さえてください。

タイプ内容
1
契約期間の満了
期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職した方(労働者本人が更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立しなかった場合)
2
正当な理由のある
自己都合
体調や家庭の事情、通勤の困難など、やむを得ない事情によって自己都合で離職した方

※出典:ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」

「正当な理由のある自己都合」として挙げられている例

タイプ2について、公開資料では次のような事情が挙げられています。 自己都合で退職した方が「自分は当てはまるかもしれない」と考えるきっかけになる部分です。

項目名だけを見ると幅が広く感じられますが、実際に認められるかどうかは、 その事情が客観的な資料で確認できるかにかかっています。 項目に名前が載っているからといって自動的に認定されるわけではない、という点は先に理解しておいてください。

認定されると変わること3つ

この記事の要点
  • 給付制限がなくなる——待期7日のあとが支給の対象期間になります
  • 受給資格のハードルが下がる——被保険者期間6か月以上で受給資格を得られます
  • 所定給付日数は、タイプ1だけが手厚くなる——タイプ2は一般の離職者と同じ日数です

① 給付制限がなくなる

一般の離職者が自己都合で退職した場合、7日間の待期のあとにさらに給付制限の期間が置かれます (2025年4月1日以降の離職なら原則1か月)。特定理由離職者と認定されると、この給付制限がかかりません。 待期の7日間が終われば支給の対象期間に入るため、最初の入金までの待ち時間が一段階短くなります。

② 被保険者期間6か月以上で受給資格を得られる

基本手当の受給資格は、原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが要件です。 特定理由離職者はこれが緩和され、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば受給資格を得られます。 転職して間もない時期に体調を崩した方など、12か月に届かないケースで差が出る部分です。

所定給付日数はタイプによって扱いが違う

ここが最も誤解されやすいところです。「特定理由離職者になれば会社都合と同じ日数もらえる」と説明されることがありますが、 正確ではありません。特定受給資格者と同じ所定給付日数が適用されるのはタイプ1(契約期間の満了)だけで、 しかもこれは期限つきの暫定措置です。

区分給付制限受給資格所定給付日数
特定受給資格者
(倒産・解雇など)
なし6か月以上手厚い表(最大330日)
特定理由離職者
タイプ1(契約満了)
なし6か月以上手厚い表(暫定措置)
特定理由離職者
タイプ2(正当な理由)
なし6か月以上一般の離職者と同じ
(最大150日)
一般の離職者原則1か月12か月以上最大150日

※タイプ1の方の所定給付日数が特定受給資格者と同様になるのは、受給資格に係る離職の日が2009年3月31日から 2027年3月31日までの間にある方に限られる暫定措置です(2026年8月時点)。

つまりタイプ2(正当な理由のある自己都合)で認定された場合の主なメリットは、 給付制限がなくなること6か月で受給資格を得られることの2点であり、 受け取れる日数そのものが増えるわけではありません。 ここを取り違えると、生活費の計画を立てる段階で見込みが狂います。

シミュレーション

区分ごとに、日数と金額がどう変わるか確かめる

年齢・雇用保険の加入期間・離職前の給与と、離職理由の区分を選ぶだけで、基本手当日額と所定給付日数の目安が出ます。給付制限のあり/なしで、受け取り始める時期がどれだけ違うのかも確認できます。

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認定するのはハローワーク。自己申告では決まらない

特定理由離職者にあたるかどうかを判断するのは、会社でも本人でもなくハローワークです。 会社が離職証明書に記載した離職理由を出発点として、本人からの申し出や提出資料をもとに事実関係を確認し、判定します。

したがって手続きとしては、離職票を持参して、実際に起きたことをそのまま伝え、判断を仰ぐ——これが正しい進め方です。 事情を裏づける資料としては、医師の診断書や意見書、家族の状況がわかる書類、辞令や転勤の通知、 転居先の賃貸借契約書、通勤経路や所要時間がわかる資料などが使われます。 離職票が届く前でも、在職中から手元に残せる資料は残しておくと、あとの説明が楽になります。

ここは必ず押さえてください

認定を得ることを目的に、実際とは異なる退職理由を申告したり、症状を実際より重く伝えて診断書を得ようとすることは、 不正受給につながる行為です。偽りその他不正の行為で基本手当を受けた場合、以後の支給がすべて停止されるうえ、 返還を命じられ、さらに原則として不正に受給した額の2倍に相当する額以下の納付を命じられます。 申告するのは、あくまで実際に起きた事実だけにしてください。

見落としやすい落とし穴

「病気で辞めた」と「失業手当を受け取れる」は別の話

体調不良を理由に退職した場合、特定理由離職者に該当する可能性はあります。 しかし基本手当は、就職しようとする意思と、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けない状態にある方への給付です。 療養が必要ですぐには働けない状態であれば、そもそも「失業の状態」に当たらないため、基本手当は受け取れません。

この場合に検討することになるのが、受給期間の延長や、健康保険の傷病手当金です。 順番と切り替え方については別の記事で詳しく扱っています。

退職前に相談したほうが選択肢は広い

離職理由の判定に使える資料の多くは、在職中のほうが集めやすいものです。 退職日を決めてしまってから振り返ると、間に合わない書類が出てくることがあります。 退職を検討している段階であれば、どの資料を残しておくべきかを先に整理しておくと安心です。

まとめ

主な参照元(一次情報)

※制度は改正されることがあります。最新の取り扱いは上記の公的情報および管轄のハローワークでご確認ください。

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最終更新日:2026年8月9日
※本記事は2026年8月時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の受給可否は管轄のハローワークなど関係機関の判断によります。

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